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工務店とゼネコンの違いについて

工務店とゼネコン)は、どちらも「建物を建てる会社」ですが、担う役割・工事の規模・組織体制・得意分野は大きく異なります。

この違いを正しく理解していないと、発注先選びでミスマッチが起こりやすくなります。

本記事では、工務店とゼネコンの違いを「仕組み」から整理し、どんな人・どんな案件に向いているのかまで詳しく解説します。

目次

結論から:最大の違いは「工事の規模」と「役割の範囲」

まず大枠の整理です。

  • 工務店
    主に戸建住宅や小〜中規模建築を中心に、地域密着で施工を行う会社。
    住宅の新築・リフォーム・リノベーションなどが主な領域。
  • ゼネコン(General Contractor)
    大型建築や土木工事を中心に、工事全体を元請として統括・管理する会社。
    ビル、マンション、病院、工場、公共施設、インフラ工事などが主戦場。

どちらが「上」や「下」という関係ではなく、役割とフィールドが違うと考えるのが正確です。

役割の違い:施工主体か、プロジェクト統括か

工務店の役割

工務店は、施主(建物を建てたい人)と比較的近い距離で関わりながら、建築工事を実行する施工主体としての役割を担います。

  • 施主との直接契約が多い
  • 住宅のプラン相談から施工、引き渡しまで一貫して対応するケースが多い
  • 自社大工や専属大工を抱える工務店もある
  • 地域の電気・設備・内装業者などと連携して工事を進める

「現場に強い会社」「顔の見える建築会社」という性格を持つのが、工務店の特徴です。

ゼネコンの役割

ゼネコンは、工事そのものを行うというより、工事全体を統括・管理する立場にあります。

  • 発注者(企業、官公庁、デベロッパーなど)から工事を一括で請け負う元請
  • 工程管理、品質管理、安全管理、コスト管理を総合的にコントロール
  • 実際の専門工事(設備、電気、内装、躯体など)は、サブコン(専門工事会社)や協力会社が担当することが一般的

ゼネコンは、巨大で複雑なプロジェクトを成立させるための「司令塔」のような存在です。

※ただし、ゼネコンが一切施工をしないという意味ではなく、直轄班やグループ会社が施工を担うケースもあります。

扱う建物・工事規模の違い

工務店が主に扱う建築

  • 木造戸建住宅(注文住宅)
  • 小規模アパート
  • 住宅リフォーム・リノベーション
  • 地域店舗の新築・改修

ゼネコンが主に扱う建築・土木

  • 中〜大規模マンション
  • オフィスビル、商業施設、ホテル
  • 病院、学校、公共施設
  • 工場、倉庫、プラント
  • 道路、橋、トンネル、ダムなどの土木工事

案件の金額・工期・関係者の多さが、両者を分ける大きなポイントです。

下請け構造と施工体制の違い

ここは誤解されやすいポイントです。

  • 工務店
    大工工事は自社または専属大工が行うこともありますが、
    電気・設備・内装などは協力業者に依頼する「分業体制」が一般的です。
  • ゼネコン
    工事全体を統括し、専門工事をサブコンや下請会社に発注するケースが多い。
    ピラミッド型の多層構造になりやすいのが特徴。

つまり、工務店もゼネコンも「分業」は普通であり、違いは「誰が全体を束ねるか」「管理範囲がどれほど広いか」にあります。

設計との関係:誰がプランを描くのか

  • 工務店:
    設計と施工をまとめて行う「設計施工」体制が多い
    (ただし、設計を外部設計事務所に委ねる工務店もあります)
  • ゼネコン:
    設計事務所が設計を担当し、ゼネコンが施工を請け負う分業型が多い
    大型案件では「設計施工方式」を採る場合もあります

住宅分野では、工務店のほうが設計段階から施主の要望に入り込みやすい傾向があります。

価格の違い:高い・安いではなく「構造が違う」

「工務店は安く、ゼネコンは高い」と単純に語られることがありますが、正確ではありません。

  • 工務店
    • 中間マージンが少なくなりやすい
    • 仕様や会社ごとの差が価格に出やすい
  • ゼネコン
    • 大規模管理体制、安全・品質管理、書類対応などがコストに反映される
    • 大型案件ではスケールメリットが活きる

価格は会社の種類よりも、仕様・設計条件・管理レベルで決まるという理解が重要です。

品質・工期・保証の考え方

品質

  • 工務店・ゼネコンの別よりも、
    現場監督の体制、検査方法、標準仕様の明確さが品質を左右します。

工期

  • 工務店:柔軟だが、人員体制によっては影響を受けやすい
  • ゼネコン:工程管理は強いが、変更には手続きが必要な場合が多い

保証

新築住宅では、工務店・ゼネコンを問わず、構造耐力上主要な部分および雨水の浸入を防止する部分について、原則10年間の瑕疵担保責任が法律で定められています。

※いわゆる「10年保証=すべてが対象」ではない点には注意が必要です。

どちらを選ぶべきか?向いているケース

工務店が向いている人

  • 注文住宅で細かく要望を反映したい
  • 地域特性(土地・気候)に強い会社に任せたい
  • 施主として密に相談しながら進めたい
  • 将来のリフォームも含め、長く付き合いたい

ゼネコンが向いている案件

  • 中〜大規模建築や施設建設
  • 多数の関係者が関わるプロジェクト
  • 工程・安全・品質管理を重視したいケース

※戸建住宅では、一般的に工務店・ハウスメーカー・設計事務所+工務店の比較になることが多く、ゼネコンは例外的な存在です。

まとめ

工務店とゼネコンの違いは、優劣ではなく役割の違いです。

  • 工務店:住宅・地域密着・柔軟性
  • ゼネコン:大型案件・統括力・管理体制

大切なのは「どの会社種別か」よりも、自分の目的・建物規模・求める関わり方に合っているかを見極めることです。

以上、工務店とゼネコンの違いについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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